タグ別アーカイブ: 最高裁判所

遺言で相続分なしの相続人 遺留分行使時の特別寄与料負担

被相続人Aは令和2年6月死亡、Aの相続人は、Aの子であるB及び相手方の2名であり、抗告人はBの妻である。Aは、生前Aの有する財産全部をBに相続させる旨の遺言をしていた。相手方は、令和3年3月Bに対し遺留分侵害額請求権を行使する旨の意思表示をした。 続きを読む

性同一性障害特例法の規定 憲法13条違反と判断-最高裁

本件は、生物学的な性別は男性であるが心理的な性別は女性である抗告人が、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(以下「特例法」)3条1項の規定に基づき、性別の取扱いの変更の審判を申し立てた事案。 続きを読む

免許保有しない宅地建物取引業 個人・法人の公訴事実の同一性

個人として免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因と、法人の代表者として法人の業務に関し免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因との間に公訴事実の同一性が争われた事例。 続きを読む

分筆登記時の土地全部処分禁止 仮処分命令の申立ての是非

抗告人が、いずれも1筆である各土地について、その各一部分の所有権を時効により取得したと主張して、本件各土地の所有権の登記名義人である相手方らに対し、当該各一部分についての所有権移転登記請求権を被保全権利として本件各土地の全部について処分禁止の仮処分命令の申立て等をした事案。 続きを読む

民訴法263条後段を巡って 原審を破棄し申し立て却下に

相手方である大阪拘置所に収容されている死刑確定者は、抗告人の執筆した雑誌記事により名誉が毀損されたとして、不法行為に基づく損害賠償金の支払いを求める訴訟を大阪地方裁判所に提起した。相手方および抗告人は第1回口頭弁論期日および第2回口頭弁論期日に連続して出頭しなかった。相手方は本件口頭弁論期日の後、東京地方裁判所には出頭し得るとして、本件訴訟を同裁判所に移送することを求めた。 続きを読む

第1審を事実誤認とした原審に 最高裁は違法指摘・差し戻し

C労働組合D支部執行委員である被告人A及びBは、株式会社E取締役のFに高圧的態度で、同社が日雇運転手であるD支部組合員のGを雇用している旨の就労証明書を同社に作成・交付させようと考え、共謀の上、平成29年11月27日E社の事務所において、Fが高血圧緊急症によって体調不良を呈した後もなお執ように求めた。 続きを読む

臨時会招集同日に衆議院解散 憲法53条後段解釈を巡って

参議院の総議員の4分の1以上である72名の議員は、平成29年6月、憲法53条後段の規定により、内閣に対し、国会の臨時会の召集を決定することを要求した。内閣は、臨時会を同年9月28日に召集する決定をし、同日第194回国会が召集されたが、その冒頭で衆議院が解散され、参議院は同時に閉会となった。 続きを読む

申請を承認しない県の対応違法 辺野古移設を巡って-最高裁

沖縄防衛局は、普天間飛行場の代替施設を沖縄県名護市辺野古沿岸域に設置するための公有水面の埋立てに関し、変更の承認の申請をしたところ、上告人(沖縄県知事)は変更を承認しない旨の処分をした。被上告人(所管大臣)は、沖縄防衛局の審査請求を受けて、本件変更不承認を取り消す裁決をし、その後、変更の承認をするよう是正の指示をした。上告人が、本件指示が違法な国の関与に当たると主張して、本件指示の取消しを求めた事案。 続きを読む

定年後の再雇用時の給与設定 最高裁が審理差戻し

正社員の定年後は嘱託社員などで再雇用されるケースが多いが、その際の給与等をどうするかは難しい問題だ。これまでは定年時の基本給の60%が限度とする裁判例が一つの目安になっていた。 続きを読む

人事院の性同一性障害者の処遇 裁量権の逸脱・乱用と判断

上告人(一般職の国家公務員・経済産業省)は上司および担当職員に対し、自らの性同一性障害であり、女性の服装での勤務や女性トイレの使用等についての要望を伝えた。その後、上告人についての説明会が開かれ、本件執務階とその上下の階以外の階の女性トイレの使用を認める旨の処遇を実施することとされた。上告人は3年後、国家公務員法86条により、原則として女性職員と同等の処遇を行うこと等の行政措置を要求したところ、人事院は認められない旨の判定をした。 続きを読む