却下の審判に即時抗告できる 財産分与、原審否認―最高裁

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離婚した2人がそれぞれ財産分与に関する処分の審判を申し立てた。相手方が行ったものは不成立で終了(家事事件手続法272条4項により第1事件の申し立てがあったとみなされた)。

抗告人が第2事件の申し立てをしたところ、原々審は第1、第2の各申し立てをいずれも却下。抗告人が即時抗告をしたところ、原審は第1事件に係る部分を却下した。その抗告事件で最高裁第一小法廷は、原審の判断は是認できないとし、原決定中、主文第1項を破棄、広島高裁に差し戻した。原審は却下の理由について、第1事件の申し立てを却下する審判は、第1事件において抗告人が受けられる最も有利な内容であり、抗告人は抗告の利益を有するとはいえないから即時抗告はできず不適法と判断。最高裁は▽家事事件手続法156条5号は、財産分与および申し立てを却下する審判に対しては、夫または妻だった者が即時抗告できるとしている。これは、当該審判の内容等の具体的な事情いかんにかかわらず、夫または妻だった者はいずれも当然に抗告の利益を有するとして、即時抗告権を付与したものと解される▽財産分与の審判の申し立てを却下する審判に対し、夫または妻だった者である申し立ての相手方は即時抗告をできると解するのが相当―とした。

■参考:最高裁判所判例集|財産分与申立て却下審判に対する抗告一部却下等決定に対する許可抗告事件|

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90659