Weeklyコラム 覇気がある

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建設会社A社長(65歳)が嘆いて、筆者に語った。「もっと覇気を持って働け」と社員たちを注意したところ、「覇気って、何ですか」と聞かれたそうだ。A社長は自らの意思で意欲的に仕事に立ち向かえと言ったつもりであるが、社員には覇気の意味やその持ち方が理解出来なかったようだ。

さて、覇気がある人とは、どんな人物であろうか。一般論としては、仕事等を自ら遂げようという心意気を持つ事である。さらに言えば、通常の人には難しい課題と前向きに取り組み、他人と違う企画や手法を工夫し先頭に立つ意志である。問題は、経営者や上司がどんな指導と管理をしたら、期待する覇気を持てるかである。第一に、社員が仕事に目標や課題を持つような仕組みを作る事である。

例えば、仕事上のミス等失敗を数えるのではなく、成果やアイデアを重視する。第二に、悩みや心配事があれば、経営者や上司が積極的に聞く耳を持つ。人は心身の不安一つで仕事に打ち込めなくなるものだ。第三に、「あなたは会社にとって大切な人」である事を言葉で示す。社員の工夫や成果を気軽に褒め、アドバイスを怠らない。第四は(これが最大の決め手)、会社が今後の経営ビジョン(事業分野や規模等の方針)を示して、会社が求める覇気のある社員像を明確にする。