契約主体も収益の帰属も法人 原処分庁の主張否認―審判所

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売主を審査請求人または同人以外の法人とする土地・地上権・施設等の売買契約に係る収益について原処分庁が(1)所得の帰属主体は、諸要素を総合的に判断して実質的に決定すべき。法人は不動産等売買契約に係る経費を支払っていない。契約に係る代金は請求人名義の預金口座等に入金されていた。契約に係る収益すべてが請求人に帰属

(2)同契約は土地等・施設等の譲渡が一体となった一つの契約。収益は、そのすべてが引き渡された当該事業年度に計上すべき―として青色申告の承認取り消し処分と更正処分等を行った。請求人が処分の全部取り消しを求めた事案で国税不服審判所は2年12月15日付で、主体は法人、収益も法人に帰属すると裁決した。

審判所はその理由として▽請求人と法人は売買契約においてそれぞれの意思に従い、それぞれ別の債務を負う内容の契約を締結。法人の従業員が土地等の買収に係る業務を行っていた。契約に係る収益のすべてが請求人に帰属するわけではない▽売買契約がそれぞれ別個の契約と認められる。請求人が譲渡した土地等は、当該事業年度以前に買主へ移転登記がされ、当該事業年度中に代金の相当部分も支払われていた。当該移転登記の日をもって「引き渡しがあった日」と判断するのが相当―を挙げた。

■参考:国税不服審判所|不動産売買契約に基づく土地等の譲渡に係る収益が請求人に帰属しないとした事例(令和2年12月15日裁決)

https://www.kfs.go.jp/service/MP/03/0102010000.html#a121