所在不明株主の株式買取り 会社法特例で手続を1年に短縮

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中小企業を対象とした所在不明株主の株式買取りにおける会社法の特例が設けられる方向だ。

中小企業のM&Aでは、比較的簡易な100%株式譲渡という手法がとられることが多いが、所在不明株主の存在が問題となるケースがある。現行の会社法では、5年以上継続して会社からの通知が到達せず、配当も受領していなければ、当該株式について会社等による買取りが可能になっている(会社法197条)。しかし、5年とういう期間の長さがM&Aを行う際のネックになっているとの指摘がある。

このため、政府は中小企業の代表者が年齢、健康状態等の事情により経営を行うことが困難であり、一部株主が所在不明であるため事業承継が困難となっている場合には、経済産業大臣の認定を受けることにより、所在不明株主からの株式買取り等の手続きに必要な期間を5年から1年に短縮する会社法の特例措置を設けるとしている。  この場合、3か月以上の一定の期間内に所在不明株主等は異議を述べることができる旨の公告及び催告を行い、異議が出ないことが条件となる。

特例措置は、政府が今通常国会に提出している「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」に盛り込まれており、施行は公布日から3か月以内とされている。

■参考:経済産業省|「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」が閣議決定されました|

https://www.meti.go.jp/press/2020/02/20210205001/20210205001.html