特段の事情認められず不適法 担保不動産競売事件―最高裁

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担保不動産競売の手続きにおける期間入札で、最高価買い受け申出人(以下同人)に次いで高額の申し出をした抗告人が、民事執行法71条4号イ(同法188条において準用)に掲げる売却不許可事由を主張して同人が受けた売却許可決定に対して執行抗告をした。

同抗告は原々審で棄却されたが、同決定に対してさらに抗告をした事件で、最高裁第二小法廷は原決定を破棄、原々決定に対する抗告を却下した。原審は執行抗告を適法とした上で執行抗告には理由がないと棄却。抗告人は、同人が目的物件の競落を抗告人に依頼し、抗告人から入札予定額の範囲の開示を受けたあと、抗告人にあらかじめ告知せずに同範囲を上回る額で入札をしたとし、同人は売却の適正な実施を妨げる行為をした者に該当すると主張。

最高裁は、担保不動産競売の手続きにおいて同人が受けた売却許可決定に対し、他の買い受け申し出人は特段の事情のない限り民事執行法71条4号イに掲げる売却不許可事由を主張して執行抗告をすることはできないと説示。抗告人は、同人からあらかじめ告知を受けていれば、自らが最高の価額で入札をした可能性がある旨を主張するにすぎず、特段の事情が認められないことは明らか、原々決定に対する抗告は不適法だとした。

■参考:最高裁判所|売却許可決定に対する執行抗告棄却決定に対する特別抗告及び許可抗告事件|

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89687