食品メーカー事件から読み解く リスクマネジメントと危機管理

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リスクマネジメントと危機管理は違う。危機は既に発生した事態を示し、リスクはいまだ発生していない危険を指す。先日、これらの対処で象徴的な事件があった。

まるか食品“即席めんペヤング”事件では、初動対応が不十分と批判を受け「全商品の生産・販売の休止」という会社存亡にかかる重大な対応に追い込まれた。そのうえ自主回収費を補償するリコール保険にも未加入であったことが判明した。

一方、マルハニチロ“冷凍食品そばめし”事件では、即座に回収と返金を開始すると説明し、調査結果として「行程を収録した映像から原因及び発生時刻の特定ができた。」とアナウンスした。

2つの事件を比較すると、(1)原因の早期特定のための体制が出来ていたこと(危機管理)(2)保険手配があったこと(リスクマネジメント)、より、マルハニチロの方が業績への影響を少なく信用失墜も抑えられたと考えられる。

大手食品メーカーによれば異物混入リスクは無くせないという。だからこそ、業績への影響や信頼失墜を抑えるため、リコール保険への加入や原因の早期特定のための体制作り等が大切なのである。中小企業も費用とカバーすべきリスクのバランスを検討しながら準備する時代を迎えている。