名義書換日終値での算定が適切 相続で得た株式取得費―審判所

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上場株式等を売却した審査請求人が所得税等の修正申告をした際に、源泉徴収選択口座で生じた譲渡損失の金額等を新たに計上したところ、原処分庁が計上できないとし、

また、申告漏れとなっていた一般口座内株式について概算取得費を用いて譲渡所得の金額を計算して所得税等の更正処分等を行った。請求人が原処分の一部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、審査請求は理由があるとして原処分の一部を取り消した。元年11月28日付裁決。

原処分庁は、請求人が相続により取得した上場株式の取得費について、調査を尽くしたが有償で取得した上場株式等はごく一部であり、大部分の実際の取得価額は判明しなかった旨主張。

審判所は、名義書換日が判明している株式については、当該書換日を取得時期とし、その時期の相場(終値)で取得価額を算定することも、明確かつ簡便な推定方法として合理的だと解されるとし、本件株式の取得費は概算取得費によらず、総平均法に準ずる方法により算定すべきだとした。請求人が相続により取得した上場株式の譲渡所得の計算上、控除する取得費に算入する金額は、当該株式の被相続人への名義書換日を確認し、その終値により算定することも合理性を有する取得価額の把握方法であると判断した。

■参考:国税不服審判所|相続により取得した上場株式の譲渡所得に係る取得費は、名義書換日にその時期の相場(終値)によって算定することも合理的と判断した事例(一部取消し・令和元年11月28日裁決)|

https://www.kfs.go.jp/service/MP/02/0406011000.html#a117