無申告ほ脱事案が増加 査察の概要を公表―国税庁

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国税は今般、令和元年度の査察の概要を発表した。令和元年度は150件の査察調査に着手。処理件数は165件で、うち告発件数は116件、告発率は70.3%となった。

同年度に処理した査察事案に係る脱税額は総額120億円で、うち告発分は93億円。告発した事案1件あたりの脱税 額は8,000万円であった。重点事案としては、架空の宝飾品輸出を装った例など消費税受還付事案が11件。無申告ほ脱事案は、単純無申告ほ脱犯も含め過去5年間で最も多い27件を告発。競艇で、他人名義で勝舟投票権のインターネット投票を行い、所得を秘匿していた例もあった。国際事案では、海外に不正資金を隠した所得税ほ脱事案で、国外財産調書の不提出犯を初適用した例など25件を告発した。その他、インターネット広告会社や消費税還付コンサルにより多額の利益を得た税理士など、市場が拡大する分野や時流に即した社会的波及効果の高い事案を告発した。

告発件数及び脱税額を税目別に見ると、法人税が64件で56億円、続いて消費税が32件で20億円。告発の多かった業種は、前年度と同じ「建設業」「不動産業」「人材派遣」の順。元年度中に一審判決が言い渡された124件ですべてが有罪となり、うち実刑判決が5人に出された。

■参考:国税庁|令和元年度査察の概要|

https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2020/sasatsu/r01_sasatsu.pdf