売却決定価額は低廉ではない 請求を棄却―国税不服審

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原処分庁が審査請求人の滞納国税を徴収するため、所有する土地の売却決定処分をした。請求人が、見積価額が時価より著しく低廉で、処分は違法としてその全部の取り消しを求めた事案で、国税不服審判所は売却決定価額と時価(基準価額)とを比較し、低廉ではないと判断、請求を棄却した。元年7月2日付裁決。

請求人は、時価は少なくとも不動産販売会社による簡易査定価格を下回らないから見積価額は時価より著しく低廉で、同様な見積価額で公売された場合の売却価額は、見積価額が時価相当額だった場合と比べて当然に低廉となる旨主張。

審判所は▽公売財産の見積価額は、その財産の時価に相当する基準価額を求めた上、公売の特殊性を考慮し、基準価額からその概ね30%程度の範囲内の公売特殊性減価を行い算定する。時価を相当に下回るのが通常▽公売財産の見積価額が時価より著しく低廉で、その結果、売却価額も同様に低廉となった場合には、見積価額の決定が最低売却価額の保障をすることにあるという趣旨に反する。この場合の売却決定処分は違法になる▽本件では基準価額に公売特殊性減価(減価率20%)をした額を見積価額として決定し、売却価額は時価と認められる基準価額の約85%に相当、時価より著しく低廉でない―とした。

■参考:国税不服審判所|売却決定処分に係る見積価額が時価より著しく低廉との主張に、売却決定価額と時価(基準価額)の比較で、低廉ではないと判断した事例(棄却・令和元年7月2日裁決)

https://www.kfs.go.jp/service/MP/11/0603000000.html#a116