Weeklyコラム 商品サービスの品性

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マスクが非常に貴重な商品に見えてきた。これまでも衛生を保つ便利な物であり、気軽に買える商品というイメージを持っていた。

ところが、価格が高くなり、容易に入手出来なくなると、存在感が急に高まるから不思議である。多くの人の関心が集まり、素材・デザイン・製作方法・販売法等が従来と異なる特殊な商品が登場した。しかし、売切れ状態や価格高騰等が発生して、マスク流通に不審が発生している。世に流通している商品サービスの価値評価は、その時々の価格レベルや利用者数等によって大きく変化する。例えば、パソコンである。発売初期の価格・処理能力・利用者数を現代のそれと比較すると、大体反比例している。結果、入手が容易になり、一部の人が悪用して商品の品性が落ちた。

職業やサービスも同様で、特に無料で提供される公的機関の相談等は、世間の価値観や担当者評価が必ずしも高くなく、一般に利用者も少ない。しかし、職業や商品サービスの品性が低い訳ではない。古い書物に、次の文がある。「職業の高下によって人の品性が定まるのではなく、人の品性によって職業の尊さ、卑しさの差異が生ずるのであります」(森田正馬著『自覚と悟りへの道』白揚社発行)。商品サービスの品性も同様で、それを扱う人の品性に依る。