Weeklyコラム 借入金の返済可能額

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新型コロナウイルスに関連して、中小企業や個人事業主への資金繰り支援策が次々に発表されている。返済を要しない給付金と助成金はともかく、問題は将来の資金繰りを圧迫する恐れのある借入金返済だ。

一般に、借入金の年間返済可能額は、経常利益×60%+減価償却費である(経常利益の約40~50%は税金)。ところが、この度の新型コロナウイルスによって、売上の大幅減少、人件費その他固定費による赤字、売掛金の回収条件悪化等により、経常利益の獲得が困難になるだろう。しかも、今回の借入金使途は大抵運転資金であり、減価償却費の増加も期待出来ない。

さて、企業の収益力や借入金状況等により異なるが、元々資金繰りが厳しかった企業は、次のような対策を準備すべきである。(1)実績資金繰り表だけでなく、必ず半年から1年の予定資金繰り表を作成して、資金繰り展望を持つ。収束期を予想して、2~3通りを作成して管理する(2)借入金による資金調達だけでなく、自社の資産状況確認による調達可能性を探る(資産の売却等)(3)仕入やコスト管理検証の良い機会と捉え、平常時には決断出来なかった仕入やコストの根本的改善を実行する(4)売上回復を急ぐあまり取引先選定や売掛金管理を誤らないように留意する。