Weeklyコラム 将来に余財を残す倹約経営

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居酒屋に居た時、隣のテーブルに居た中小企業経営者らしき人がこんな会話をしていた。「今度、経費に出来る交際費の枠が広がって、使った方が税金の得になるそうだ。枠を気にしなくて良いから助かるよ」

企業経営は「勤勉」によって収益を上げ、それに見合った支出(仕入や経費)を「倹約」しながら実行することである。最終的には、収益から支出を控除した「将来への余財」をいかに多く残せるかの勝負である。この実現は定期的に各種計画を作り、その計画に沿って倹約しながら進めることによる。ところが、企業の相当数は事前に計画を作らず、数値目標も無ければ結果の評価基準も無いところが珍しくない。

このような企業の収益は全て成り行き任せであり、勤勉に働くと言っても目標が定まっていないので社員の努力指標はまちまちとなる。普通、人は目標や期限が無い物に達成意欲や生きがいを持たないものだ。

単に税金が安くなるから交際費(経費)を倹約しないというような使い方は、やがて人件費や家賃等の経費を賄えなくなって採算性を悪化させる。当たり前の現象であるが、収益や支出に目標を設定して計画を作って勤勉に働き、計画に沿ってやりくりしながら支出することが、「将来に余財を残す勝者の倹約経営」である。