不動産取得税賦課処分は適法 原判決破棄、控訴棄却―最高裁

LINEで送る
[`yahoo` not found]

堺市の土地を共有していたAが、共有物分割により他の共有者の持ち分を取得したところ、大阪府泉北府税事務所長から不動産取得税賦課決定処分を受けた。

被上告人(Aは原審係属中に死亡。弟の被上告人が相続して訴訟承継)が地方税法73条の7第2号の3の規定により不動産取得税を課すことができず、処分は違法と主張、上告人を相手に取り消しを求める事案で、最高裁第一小法廷は違法はなく、請求を棄却した第1審判決は正当だとし、同認容した原判決を破棄、被上告人の控訴を棄却した。

土地は死亡したBからの遺贈によりAと被上告人が持ち分各2分の1を取得。その後、共有物分割を行い、土地1、土地2に分筆、土地1はAが被上告人の持ち分全部を、土地2は被上告人がAの持ち分全部を取得した。取得時に土地1は固定資産課税台帳に価格が登録されていなかった。府税事務所長は法73条の21第2項に基づき評価基準により土地1の価格を算定、分筆前の価格の2分の1相当額を超えているとして持ち分超過部分に処分をした。

最高裁は、隣接する2筆以上の宅地を一画地として画地計算法を適用する場合、各筆の宅地の評点数はその適用により算出された当該画地の単位地積当たりの評点数に、各筆の宅地の地積を乗じて算出されるとした。

■参考:最高裁判所|不動産取得税賦課決定処分取消請求事件・令和2年3月19日・第一小法廷

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89334