Weeklyコラム 元祖を名乗る心意気

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筆者は飲食店等の開業指導をしているが、開業者の創業意欲に不安を感じることがある。

大抵、メニュー作りや採算計画、採用計画や資金計画等は比較的良く出来ている。しかし、独自の店舗運営理念(メニュー、調理法、接客法、店舗デザイン等の工夫)が欠落している場合が多いのだ。店頭看板や店舗レイアウト等も内装業者任せで、企画書や見積書を真剣に検討していない事もある。

従来の飲食繁盛店は、独自のメニューやキャッチコピー等を打ち出し発展してきた。丼物(鰻丼・親子丼・牛丼・かつ丼等)であれば、例えば「元祖鰻丼の~屋」等と名乗った。さらに、店舗の差別化を図って、蒲焼であれば客層を広げる為に蒲焼とご飯をセットにした「鰻飯」を売出し、重箱に入れて出す「うな重」等と発展した。もちろん、店頭や入口付近で大きな団扇をパタパタさせて蒲焼を焼く集客活動(見る楽しさとその匂い)も誰かの工夫である。

現在繁盛している飲食店を眺めると、丼物以外では、鯛焼き・焼き鳥・ハンバーガー・ピザ・餃子・寿司・ソバうどん等において、独自の食材や調理法、味付け、接客・販売法、キャッチコピー等を独自に工夫している。ぜひ、飲食店等の新規開業者は何らかの元祖を打出すような創意工夫と心意気を持って出発してもらいたい。