財産評価通達の適用は不適当第二次納税義務の評価―不服審

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相続により故人が納付すべき国税の納税義務を承継した故人の相続財産の滞納国税を徴収するため、故人の生前に不動産の贈与を受けた審査請求人らに対し、原処分庁がそれぞれ国税徴収法に基づく第二次納税義務の納付告知処分を行った。

請求人らが納付すべき限度額の算定に誤りがあるとして処分の一部取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、第二次納税義務の受けた利益の額の算定において無償譲渡した不動産を財産評価基本通達を参考にして評価するのは妥当ではないとして、処分の一部を取り消した。元年6月4日付裁決。

審判所は請求人らの主張を退けるとともに、原処分庁が行った譲り受け財産の価額を財産評価通達により算定することの妥当性に関する主張についても、同通達を適用すべきとする法令等の規定は存在しないと否定。審判所が原処分庁とは異なる算定をした上で、▽建物の一部が隣接地との境界を越えて建っている▽一部の土地上に経済的合理性を有しない賃貸用建物が存在する▽建物の所有者に使用借権がある▽一部の土地が共有関係にある―などを考慮して算定の必要があるにもかかわらず、原処分庁の算定価額ではこれらの事情が適切に考慮されておらず、算定に際して評価通達を参考にするのは妥当とはいえないとした。

■参考:国税不服審判所|第二次納税義務の受けた利益の額の算定において、無償譲渡した不動産を財産評価通達を参考にして評価することは妥当とはいえないとした事例(令和元年6月4日裁決)

http://www.kfs.go.jp/service/MP/11/0303070000.html#a115