Weeklyコラム 創業と守成


会社の経営者及び起業家等の間でよく話題になる事柄に、「創業と守成、そのどちらが大切か(又は困難か)」というものがある。その重要性と難易度は相対的だが、中長期で考えれば筆者は守成の方を選ぶ。

守成とは、創業後の基盤を充実させる事である。守成の準備が用意されていない場合、大きな期待を受けて創業した事業が瞬く間に消えてしまう事もよくある。

X社(金属材料の研究開発及び製造)は、A創業社長が画期的な特許を取得して立ち上げた会社である。当初は原材料の調達先企業が資本参加したり、マスコミで話題になったりして、将来は株式上場の可能性もある等と言われた。最初の3年間は特許技術や開発商品が次々に売れ、社員5人で始めた事業が3期には30人程の規模になった。ところが、主要取引先の倒産(回収不能額2千万円)をきっかけに資金繰りが悪化、A社長の研究活動が停滞してしまった。顧客開拓や資金調達の専任社員がいなかったからである。結局、経営体制を構築する前に、既存技術や開発商品が市場で陳腐化し、経営権を取引先に譲渡してしまった。

守成は創業の時が始まりである。創業後の守成(資金・人事・営業・危機管理等)を創業計画の中でビジョンや戦略として準備しておく事が必要かつ重要である。