Weeklyコラム 人手不足の多様性

LINEで送る
[`yahoo` not found]

近年はますます人手不足が深刻になっている。飲食業、運輸業、建設業等を始め、あらゆる業種で問題になっている。

なぜ、人手不足は発生するのであろうか。根本的には、募集活動をしても、企業の業務内容に人気が無い事や待遇に魅力が無い事等により、応募者が集まらない。意外に多い原因は、新規採用数に不足は無かったものの、社員の定着性が低い事である。例えば、「採用してもすぐ辞める」「仕事を一通り覚えても突然に辞める」「病気やケガが多く、短期で退職してしまう」等である。結局、人手不足がいつまでも続く。

X社(婦人服小売チェーン)の仕事は、店員と顧客が親しく交流しながら販売する形態である。顧客の多くが決まった店員(店長が中心)にファッションアドバイスを求める。ある時A店の店長がやや重い病気で1ヶ月欠勤してしまった。直ちに店長の補充を検討したが適任者がいない。社員数に不足は無いが、店長の適任者がいないのだ。X社では、次のような対策を取った。(1)各店の管理者を店長と副長の2人体制とし、店長が病気等の場合でも短期間であれば補充しない(2)管理マニュアルを見直し、店長を緊急に補充する場合の手続きを明確化(3)社員の健康診断を充実させ、有給休暇の取得を定期的に勧奨した。