1審の上告人敗訴部分取り消す 原判決破棄―住民訴訟で最高裁

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鳴門市が経営する競艇事業に関し、市が25年度に漁業協同組合である上告補助参加人らに対して公有水面使用協力費を支出したことが違法、無効だとして、市の住民である被上告人らが地方自治法242条の2第1項4号の規定に基づき上告人を相手に、当時の市公営企業管理者企業局長への損害賠償請求および参加人らに不当利得返還請求等を求める住民訴訟で最高裁第三小法廷は原判決を破棄し、第1審判決中、上告人敗訴部分を取り消し、前項の部分に関する請求をいずれも棄却した。

原審は、本件協定は違法、無効、局長職にあった者には過失があるとした上で、被上告人らの請求をいずれも認容すべきだとした。

住民訴訟の係属中にされた上記各請求に係る請求権を放棄する旨の市議会の議決の適否が争われている。最高裁は▽市が本件各請求権を放棄することが普通地方公共団体の民主的かつ実効的な行政運営の確保を旨とする地方自治法の趣旨等に照らして不合理とは認め難い▽本件議決が市議会の裁量権の範囲の逸脱または濫用に当たるとはいえない▽本件議決を受けて、上告人が局長職にあった者や参加人らに対し各請求権を放棄する旨をそれぞれ通知したことによりその放棄は有効にされ、請求権は消滅したというべきである―と説示した。

■参考:最高裁判所|公金違法支出損害賠償等請求事件(平成30年10月23日・第三小法廷・破棄)

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=88066