監査報告書の透明化を検討へ 虚偽表示リスク等を記載

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企業会計審議会(会長:平松一夫関西学院大学名誉教授)は9月8日に総会を開催。近く監査部会を立ち上げ、「監査報告書の透明化」について検討を開始する方針を明らかにした。

現行の監査報告書は、財務諸表が適正と認められるか否かの意見表明以外の監査人の見解の記載は限定的となっている。しかし、英国では、会計監査の透明性を高めるため、財務諸表の適正性についての意見表明に加え、監査人が着目した虚偽表示リスクなど、監査上の主要な事項(KAM)を監査報告書に記載する制度が導入されており、EUも今年から同様の制度を導入する予定だ。このため、株主等に対する情報提供を充実させる観点から日本においても「監査報告書の透明化」について検討を進めるとしている。KAMとは、監査人が職業的専門家として企業の経営者とコミュニケーションを行った事項のうち、当期の会計監査で最も重要と判断したもの。

虚偽表示リスクのほか、重要な事象又は取引が監査に与える影響などを考慮するとされている。監査報告書には個々のKAMについて見出しを付けて記載するとともに、(1)KAMとして決定した理由(2)監査人の対処を記載する。ただし、個別の意見表明は行わないとされている。