IFRS9のエンドースメント 削除又は修正はなしの方向

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企業会計基準委員会(ASBJ)は現在、2014年7月に改正されたIFRS第9号「金融商品」のエンドースメント手続を開始している。具体的には、2013年版から改正された分類及び測定に関する限定的修正となる(1)単純な負債性金融商品について、「その他の包括利益を通じた公正価値」(FVOCI)の測定区分の導入(2)事業モデル特性及び契約上のキャッシュ・フローの特性の要件に関する適用上の課題への対応のための要求事項の明確化のほか(3)減損(予想信用損失モデルの会計処理の導入)である。

このうち、(3)の減損に関しては、「相対的アプローチ」や「将来予測的な情報」の適用に現行実務との違いから実務上の困難さに懸念があるとされており、「削除又は修正」の要否の検討を行っている。

この点、欧州においては適用上の深刻な課題は認識されておらず、他の国や地域からも適用上の重要な課題が聞かれていない状況においては、国際会計基準審議会(IASB)に対して適用上の課題について現段階で改正を求めるには日本特有の理由が必要になるとしている。しかし、その理由を見出すことは難しいと判断。実務上の困難さは残るが、「削除又は修正」するまでには至らないとの結論の方向になっている。