交代理由開示に向けた施策公表 会計士協会が監査人に適宜質問

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日本公認会計士協会はこのほど、監査人の交代理由等の開示に向けた施策を明らかにした。金融庁に設置された「会計監査の在り方に関する懇談会」の提言を受けたもの。提言では、監査人の交代理由の開示については企業による説明の内容が定型的となっており、株主等の十分な参考になっていないと指摘しており、同協会に対して対応を求めていたものである。

具体的には、上場会社監査事務所登録制度に基づき会計士協会への提出が求められている「登録事務所概要書変更事項届出書(会社数及び会社名)」及び「監査契約会社リスト変更事項届出書」の監査対象会社数の増減理由記載箇所を、現行の自由記載から選択肢形式に変更する。これにより把握した具体的な交代理由を踏まえ、必要と認めた場合には監査人に適宜質問し、交代の理由等及びそれに対する監査人の意見に関してその実情を把握するとしている。また、把握した交代理由の概要については定期的に公表する。

なお、会計士協会が実施したアンケート調査によれば、無限定適正意見の表明後に交代し、交代理由に対する監査人の意見が開示されなかった場合であっても、監査人と被監査会社の見解の相違が交代の背景に存在していた事例もあったとしている。