Weeklyコラム 後継者の出番を確保

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X社(建設業)の会長(創業者)から、後継社長(会長の娘婿)のリーダーシップについて相談を受けた。社長が部下に指示命令が上手に出来ないと言う。社長は10年前まで鉄道会社にいたが、結婚を機にX社に入った。3年前から後継社長として奮闘しているが、性格が穏やかで礼儀正しい為か、部下が社長の指示命令を軽視するような態度をすると言う。そもそも、社長は必要な日常業務の指示命令を気軽に発しないようだ。

会長は社長の行動をどう改善すべきか悩んでいたが、実は会長自身の問題に思われた。例えば、週1回の営業会議は社長が進行役をするが、社員の発言を聞いてそれを評価する人は会長である。社長が賛成しても会長が同意しなければ意見は否決されるので、社員は会長の顔色を窺(うかが)う。結果、指示命令が会長から発せられたような雰囲気となり、報告の第一報も会長の所に入ることになる。本例は、形式上は事業承継をした場合であるが、会長(創業者)は引き続き事業に携わっていた。後継社長の出番を制限していて、なかなか思い通りのリーダーシップが発揮出来なかったようだ。結局、会長の出勤日を相当減らし、休養や夫婦旅行と称して時々は長期休暇を取ったりして、社長の指示命令に頼る組織作りを目指すことにした。