Weeklyコラム 旅と観光資源

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旅は、例えば日常生活から脱して開放された気分を味わうことである。仕事・食事・日常の雑務等は他人に任せ、自分の楽しみに浸る。そのサービス提供者は、快適な交通手段や宿泊施設、魅力的な料理・土産や接客の提供に努める。

観光資源の具体例は、その地の史跡・神社仏閣・文化財・各種産物・歴史上の人物、個性的な街並みや自然風景等を指す。未知な物であればあるほど観光資源としての価値が大きい。旅の楽しみは見た事の無い物を見たり、食べた事の無い物を味わったりする事である。

ところで、観光を活性化させようとする市町村の人々(市役所・商店街等)から、「わが町は観光資源が無いから、観光客は増えない」という言葉を聞く。確かに、温泉・歴史資源・個性的街並み等によって容易に観光客を集客出来る地域もあるが、実は旅行者の求める観光資源は単純ではない。

例えば、農山村であれば日常の農作業や生活を披露して、旅行者が祖先や故郷の暮らしを想像したり、普段は店舗で購入する農産物を自分の手で収穫したりして楽しむ。首都圏にある某城下町は、以前はその街並みや歴史的建物が古くて市民から嫌われていたが、現在は逆に町の最大の観光資源となっている。旅をする者の心情を研究すれば、観光資源は必ず発掘出来る。