開発許可を受けたのは受託者 請求人の主張を棄却―審判所

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審査請求人が不動産信託の受益者としての権利を譲渡、当該譲渡が租税特別措置法第31条の2《優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例》第2項第13号所定の優良住宅地等のための譲渡に該当するとして同条第1項に規定する特例を適用し、所得税と復興特別所得税の申告をしたところ、原処分庁が当該譲渡は同条第2項第13号に規定する要件を満たさず、として更正処分等をした。

請求人がその全部の取り消しを求めた事件で国税不服審判所は28年6月3日付で、開発許可を受けたのは受託者であり、受益者としての権利(受益権)の譲受人でないため特例の適用はないと裁決、請求人の主張を棄却した。

争点は、当該譲渡の譲受人が開発許可を受けて住宅建設の用に供される一団の宅地の造成を行う法人に当たるか否か。審判所は、特例は本来課されるべき租税を、政策的な見地から特に軽減するものであり、租税公平主義に照らし、その解釈は条文の文言に即して厳格にされるべきであり、みだりに拡張解釈や類推解釈等は許されないとした上で、本件は対象土地に係る信託受益権の譲渡であり、受益権の譲受人自身が開発許可を取得していない以上、開発許可を受けた者に対する譲渡の要件を満たさないとした。

■参考:国税不服審判所|所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成28年6月3日裁決

http://www.kfs.go.jp/service/MP/12/0102020200.html#a103