原判決を破棄、高裁に差し戻す 善管注意義務違反ある―最高裁


匿名組合契約の営業者が新たに設立される株式会社に出資するなどし、同社が営業者の代表者等から売買により株式を取得した場合において、営業者に匿名組合員に対する善管注意義務違反があるかが争点となった事案で最高裁第三小法廷は、上告人が被上告人らに対して行った金員の支払い請求を棄却した原審の判断は是認できないと否定した。その上で、原判決中、上告人の請求を棄却した部分を破棄、その部分につき東京高裁に差し戻した。

営業者は、匿名組合契約の本来の目的に合致しない会社を次々に設立。それらの会社の役員に自身や実弟を送り込み、出資金の一部を流用するなどした。最高裁は、被上告会社が一連の行為を行うことは、上告人の承諾を得ない限り、営業者の善管注意義務に違反すると解するのが相当だとの判断を示し、▽上記の諸事情があるにもかかわらず、上記承諾の有無について審理判断することなく、被上告会社の善管注意義務違反を否定した▽被上告会社に善管注意義務違反が認められないことを理由に、被上告人らは不法行為に基づく損害賠償義務を負わず、被上告人の一人は会社法429条1項に基づく損害賠償義務を負わないとした―原審の判断には、判決に影響を及ぼす明らかな法令の違反があると断じた。

■参考:最高裁判所|損害賠償請求事件・平成28年9月6日・最高裁判所第三小法廷)

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86107