取引相場のない株式評価方法 税制改正要望盛り込む

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中小企業庁の「事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会」(品川芳宣座長)は今年4月以降、事業承継税制と取引相場のない株式の評価方法についてさまざまな問題点を指摘してきたが、経済産業省の29年度税制改正要望に両制度の見直しが盛り込まれる見込みとなった。

このうち取引相場のない株式の評価方法については、類似業種比準方式による株価の算出によって、急激な株価上昇が市場価格のない同族会社の財産価格を同様に上昇させているという実態がある。中小企業の株価が実際の営業利益からかけ離れた額に押し上げられ、承継問題の先送りにつながるおそれが生じている。検討会では「上場企業の株価の急激な変動を考慮して、類似業種の株価について過去の平均値を採用するなど激変緩和措置をとること」「海外展開をしている上場企業と国内市場をメインとする中小企業との違いを考慮して見直すこと」を望ましいとする意見があった。

28年度税制改正大綱でも「相続税法の時価主義の下で、比較対象となる上場会社の株価並びに配当、利益及び純資産という比準要素の適切なあり方について早急に総合的な検討を行う」との言及があり、取引相場のない株式の評価については29年度税制改正の主要議題となる可能性がある。

■参考:経済産業省|平成29年度税制改正に関する経済産業省要望【概要】|

http://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2017/zeisei_r/pdf/1_02.pdf