取り戻しの請求は消滅時効内 営業保証金―最高裁が逆転判決


宅地建物取引業法30条1項前段所定の事由が発生した場合において、同条2項本文所定の公告がなされなかった時、営業保証金の取り戻し請求権の消滅時効がいつ発生するかが争点となった事案で、 最高裁第一小法廷は原判決を破棄し、第1審判決を取り消すとともに、(1)上告人が25年9月20日付で行った供託金の取り戻し請求に対し東京法務局供託官が同年10月1日付で行った却下決定を取り消す(2)同供託官は、上告人が行った供託金の取り戻し請求につき払い渡し認可決定をせよ―と命じた。1審、2審を否定した逆転判決。

原審は、取り戻し請求権の消滅時効がすでに完成しているとして、上告人の却下決定の取り消し請求を棄却し、保証金の払い渡し認可決定の義務付けの訴えを却下した。最高裁は、取り戻し請求権の消滅時効は、取り戻し事由が発生した時から10年経過時から進行するのが相当だとし、上告人について宅建業の免許の有効期間が満了し、取り戻し事由が発生したのは10年4月1日、その後上告人は取り戻し公告をしていないため、取り戻し請求権の消滅時効は同日から10年を経過した時から進行、本件保証金の取り戻し請求がされたのはその約5年6カ月後である25年9月20日だから、消滅時効が完成していないとした。

■参考:最高裁判所|供託金払渡認可義務付等請求事件・平成28年3月31日・最高裁判所第一小法廷|

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85809