小規模宅地等特例の拡充 申告書提出が要件

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来年1月から、基礎控除の引き下げや最高税率の引き上げなど相続税の課税が強化される一方で、各種の特例も拡充される。小規模宅地等の特例のほか、配偶者に対する相続税額の軽減の特例が代表的であるが、特例を使うと納付すべき相続税額がゼロになる場合でも、申告書の提出が適用の前提となるので注意が必要である。

両特例において、申告期限までに遺産分割が未成立のケースなど財産の分割が行われていないときでも、期限後3年以内の分割見込書を相続税の申告書に添付して提出し、3年以内に分割がなされた場合には特例が適用される。分割の結果、納め過ぎの税金が生じた場合は、分割が行われた日の翌日から4カ月以内に更正の請求を行えば還付が受けられる。

24年中に亡くなった被相続人約126万人のうち、約5万2千人分で相続税額のある申告書の提出があった。今度の課税強化によってこの数字は1.5倍程度に増えると予想されており、各種特例の適用により相続税がゼロになるケースを含めた申告書の提出はさらに多くなると見られる。

国税庁では、相続が発生した際、自身に申告が必要か否かを確認できる計算システムを公開し、税務署での相談体制を充実させるなどして申告者増に対応する予定。